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大阪・関西万博 誘致から閉幕までの道のり

2025年11月25日

2025年に開催された大阪・関西万博の誘致決定から閉幕までの主要な出来事を、一般市民向けにわかりやすく解説します。計画の始まりから、建設の遅延、そして開催から閉幕まで、万博の全体像を時系列でたどります。

📝 総括

大阪・関西万博:誘致から閉幕までの道のり

2017年4月7日、日本政府は2025年の国際博覧会(万博)を大阪・関西で開催する誘致を閣議了解しました。その後、2018年11月23日にはフランス・パリでのBIE総会での投票により、大阪・関西が開催地に決定しました。2020年12月25日には「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとした基本計画が公表され、準備が進められました。

しかし、2023年8月1日頃から、資材価格や人件費の高騰により、特に海外パビリオンの建設に遅れが生じました。2024年3月28日には、会場の夢洲で建設現場からメタンガスが検知され、爆発事故が発生し、安全面への懸念が浮き彫りとなりました。一方で、2025年2月28日には万博のシンボルである巨大な「大屋根リング」が完成し、会場建設の進展を示しました。

2025年4月13日、大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開幕しました。会期は10月13日までの184日間で、世界約160の国と地域が参加し、未来社会の提案が行われました。閉幕後、公式発表では来場者数約2900万人、収支黒字とされましたが、長時間待ちや交通アクセスの問題、海外パビリオン建設業者への工事費未払い問題などが課題として残りました。

📜 タイムライン

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📅 2017年4月7日

万博誘致を政府が閣議了解

2025年の国際博覧会(万博)の大阪・関西での開催を目指し、日本政府が誘致を正式に決定しました。大阪は1970年以来、55年ぶりの万博開催を目指し、健康や長寿をテーマにした新しい万博を構想していました。政府は、この万博が東京オリンピック・パラリンピック後の日本経済の活性化につながることを期待していました。この決定を受けて、日本は万博の誘致に向けた正式な申請書類を提出しました。

2
📅 2018年11月23日

大阪・関西万博の開催地に決定

フランス・パリで開催された博覧会国際事務局(BIE)の総会での投票により、2025年の万博開催地が大阪・関西に決定しました。ロシアやアゼルバイジャンとの激しい誘致合戦の末、日本は決選投票で過半数の支持を得て開催権を獲得しました。この決定により、大阪は半世紀以上の時を経て再び万博の舞台となり、日本国内では2005年の愛知万博以来の開催となりました。当初、経済効果は約2兆円、来場者数は約2800万人と見込まれていました。

3
📅 2020年12月25日

万博の基本計画を公表

2025年日本国際博覧会協会は、万博開催に向けた具体的な計画をまとめた「基本計画」を公表しました。この計画には、会場の整備、運営、輸送、広報など、開催に必要な様々な方針が盛り込まれています。万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」とされ、サブテーマとして「Saving Lives(命を救う)」「Empowering Lives(命を活かす)」「Connecting Lives(命をつなぐ)」が掲げられました。この計画に基づき、2025年の開催に向けた準備が本格的に進められることになりました。

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📅 2023年8月1日

パビリオン建設に遅れ発生

2023年夏頃、大阪・関西万博の会場建設において、特に海外パビリオンの工事で入札不調が相次ぎ、建設の遅れが目立つようになりました。資材価格や人件費の高騰により、当初の予算が大幅に増額されたにもかかわらず、建設業者の確保が困難になったことが原因です。多くの国の工事が予定通り進んでいない状況でした。夢洲のアクセスの悪さや、万博協会の意思決定の遅れなども遅延の要因として指摘されました。

5
📅 2023年11月30日

入場チケット販売開始

2025年大阪・関西万博の入場チケットの事前販売が始まりました。開幕まで500日となるのを記念して、お得な割引価格でチケットを入手できる機会が設けられました。公式サイトや旅行代理店などで購入でき、来場日時を事前に予約するシステムも導入されました。このチケット販売開始は、万博への期待感を高める一歩となりました。チケットは会期終了まで販売され、様々な券種が用意されました。

6
📅 2024年1月24日

経済効果を再試算

最新のデータに基づき、大阪・関西万博による経済波及効果が約2.7兆円と試算されました。これは、建設費の増加などを踏まえて行われた再試算です。その後、国は約2.9兆円、大阪府市は約1.6兆円という試算を発表しました。専門家からは、万博会場周辺だけでなく、大阪府外でも関連イベントを開催する「拡張万博」の考え方を取り入れれば、さらに大きな経済効果が見込めるという意見も出ました。建設費の高騰が続く中、経済効果への期待も改めて示されました。

📎 出典・参考資料:

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📅 2024年3月28日

建設現場でメタンガス爆発事故

万博会場の夢洲は、もともと廃棄物処分場だったため、メタンガスが発生しやすい場所でした。その会場内で、来場者用トイレの建設現場からメタンガスが検知され、爆発事故が発生しました。事故現場の床下では、作業員を避難させる基準を超える濃度のメタンガスが繰り返し検出されていました。この事故を受け、万博協会は換気対策の強化や、会期中のガス測定値の毎日公表などを検討すると発表しました。会場の安全性に対する懸念が浮き彫りとなりました。

8
📅 2025年2月28日

シンボル「大屋根リング」完成

大阪・関西万博のシンボルとなる巨大な「大屋根リング」が、会場内で一つにつながりました。この大屋根は、会場全体を覆うように設計されており、多様な人々が一つになるという万博の理念を象徴しています。全長約2km、高さ約20mにも及ぶこの建築物は、釘を使わない伝統的な「貫工法」を用いて建設されました。この完成は、会場建設の大きな進展を示す象徴的な出来事として、万博への期待感をさらに高めました。

9
📅 2025年4月13日

大阪・関西万博が開幕

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにした大阪・関西万博がついに開幕しました。世界約160の国と地域、9つの国際機関が参加し、最先端技術や多様な文化を通じて未来社会のあり方を提案する場となりました。会期は10月13日までの184日間です。会場では、次世代モビリティの実証実験やキャッシュレス決済、生体認証など、未来社会の実験場としての様々な取り組みが行われました。開幕後も建設費や運営費の課題は指摘されましたが、コンテンツへの満足度は高いという声も聞かれました。

10
📅 2025年10月13日

大阪・関西万博が閉幕

2025年4月13日から開催されていた大阪・関西万博が、6ヶ月間の会期を終えて閉幕しました。公式発表によると来場者数は約2900万人、収支は黒字とされました。しかし、来場者数には関係者などが含まれることや、運営面では「並ばない万博」という理念とは裏腹に、長時間待ちや熱中症対策、交通アクセスの問題などが課題として残りました。また、海外パビリオン建設に関わった業者への工事費未払い問題も深刻化しました。万博は、日本の都市開発や経済政策における課題を浮き彫りにしました。