Ano News

PCメモリ価格高騰の記録:AI需要が市場を席巻

2025年11月30日

2024年末から2025年にかけて、PC用メモリ、特にDDR5メモリの価格が急騰しました。このタイムラインは、AI需要の爆発的な増加が市場に与えた影響と、それに伴う価格変動の経緯を追います。一般市民の視点から、何が起こり、なぜそれが重要だったのかを解説します。

📝 総括

PCメモリ価格高騰の記録:AI需要が市場を席巻

2024年末から2025年にかけて、PC用メモリ、特にDDR5メモリの価格がAI需要の爆発的な増加により急騰しました。このタイムラインは、その経緯を一般市民の視点から追います。

当初、メモリサプライヤーは増産に慎重な姿勢でしたが、2025年3月頃からAI分野でのメモリ需要が伸び始め、DRAM全体の平均価格が上昇しました。特にAI向け特殊メモリHBMの需要が高まり、SK hynixがSamsungを抜いてDRAM売上首位になるなど、市場の勢力図にも変化が見られました。

9月頃からPCメモリ市場で価格変動が顕著になり始め、10月に入るとAI需要の急増によりDRAM価格は急騰、DDR4メモリの供給不足が深刻化しました。調査会社はDRAM価格の大幅な上方修正を発表し、DDR5メモリとSSDの値上がりが目立ち始めました。

11月に入ると、PCメーカーがメモリ価格高騰を理由に製品値上げに踏み切り、特にDDR5大容量モデルの価格が急上昇しました。SamsungはAIサーバー需要を理由にメモリ価格を最大60%引き上げ、DDR5メモリの急騰が加速しました。秋葉原ではDDR5メモリが100%超値上がりする事態も発生し、一部では価格操作の可能性も指摘されています。

📜 タイムライン

1
📅 2024年11月12日

メモリサプライヤー、増産に慎重姿勢

2025年のDRAM(メモリの一種)の出荷量は増える見込みですが、メモリを作る会社は増産に慎重な姿勢を示しています。これは、それまで在庫を減らすために価格が回復してきたものの、年末にかけて価格上昇の勢いが弱まる可能性があったためです。この慎重な姿勢が、後の供給不足の伏線となりました。一般のPCユーザーにとっては、まだ直接的な影響は少ない時期でした。

2
📅 2025年3月25日

AI需要でDRAM価格上昇へ

AI(人工知能)分野でのメモリ需要が引き続き伸びるため、DRAM全体の平均価格が上昇する見通しです。特にAIに使われるHBMという特殊なメモリの需要が高まっています。一方で、一般的なPCやスマートフォンに使われるDRAMの価格は、少し下がるか横ばいにとどまる予測でした。これは、AI関連の需要が市場全体に影響を与え始めたことを示しています。

3
📅 2025年6月5日

SK hynix、DRAM売上首位に

メモリメーカーのSK hynixが、Samsungを抜いてDRAMの売上高で世界一になりました。これは、AIに使われるHBMメモリの出荷を増やしたことが主な理由です。この時期、PCやスマホメーカーは在庫を調整していましたが、今後、需要が回復してメモリの調達が活発になるにつれて、価格が上昇すると予測されていました。メモリ市場の勢力図に変化が見られました。

4
📅 2025年9月1日

PCメモリ市場で価格変動が顕著化

PCに使うメモリの価格に、この頃から変動が見られ始めました。世界的なIT製品への需要の変化や、メモリを作る体制の変化が背景にあるとされています。まだ大きな値上がりというわけではありませんでしたが、市場の潮目が変わりつつある兆候でした。今後の価格動向が注目される時期となりました。

5
📅 2025年10月14日

AI需要でDRAM価格急騰、DDR4不足深刻化

AI(人工知能)関連の需要が爆発的に増えたことで、DRAM(メモリ)の価格が急激に上がり始めました。特に、少し前の規格であるDDR4メモリの供給不足が深刻になり、契約価格が前の期間より30%から50%も上がると予測されるほどでした。AIサーバーの需要増が、PC用メモリの供給にも大きな影響を与え始めていました。

📎 出典・参考資料:

6
📅 2025年10月29日

メモリ価格予測、大幅に上方修正

メモリ市場の調査会社TrendForceは、2025年最後の3ヶ月(10月~12月)のDRAM(メモリ)価格が、以前の予測よりも大幅に上昇すると発表しました。DRAM単体で18~23%、AI向けメモリを含むと23~28%も上がるとの見通しです。これは、世界中の企業がデータセンターを拡張するためにメモリを大量に必要としているためです。価格高騰がさらに進むことが強く示唆されました。

7
📅 2025年10月27日

DDR5メモリとSSD、値上がりが顕著に

PCパーツの中でも、特にDDR5メモリとSSD(記憶装置)の価格が目に見えて上がり始めました。世界的なAIブームでデータセンターの建設が急ピッチで進み、メモリやSSDの材料が不足していることが原因と見られています。この影響で、PC全体の価格にも影響が出始めていました。

8
📅 2025年11月4日

PCメーカー、メモリ価格高騰で値上げ

小型PCなどを製造するMINISFORUMという会社が、DDR5メモリやSSDの仕入れ値が上がったことを理由に、一部製品の価格を引き上げました。これは、PCパーツの価格上昇が、完成品のPCの価格にも実際に影響していることを示す出来事でした。一般の消費者がPCを購入する際の選択肢に影響が出始めていました。

📎 出典・参考資料:

9
📅 2025年11月11日

DDR5大容量モデル、価格が急上昇

DDR5メモリの中でも、特に大容量の製品で価格上昇が目立ちました。例えば、48GBのメモリ2枚組は10月から11月にかけて1万7千円以上も値上がりし、64GBの2枚組では価格が約5割も上がった例もあります。これは、AIサーバー向けの需要がDDR5に集中していることや、DDR4からDDR5への移行でDDR4の生産が減っていることが原因です。

10
📅 2025年11月15日

Samsung、メモリ価格を最大60%値上げ

世界最大のメモリメーカーであるSamsungが、一部のメモリチップの価格を9月と比べて最大60%も引き上げました。最大の理由は、AIサーバーの需要が急増していることです。AIの学習や計算には大量のメモリが必要で、1台のサーバーに1TB(テラバイト)ものメモリが搭載されることもあります。これがPC用メモリの供給に影響し、DDR5メモリは製品によっては2倍から3倍以上に値上がりしました。

11
📅 2025年11月17日

DDR5メモリ、急騰が加速

2025年11月半ばにかけて、DDR5メモリの価格上昇がさらに激しくなりました。特に安価な製品で価格の上昇率が市場平均の2~3倍に達し、11月20日以降はすべての種類のメモリで急騰が発生しました。これは、卸売価格の上昇が小売価格にそのまま反映されたためです。安いメモリを探すのが難しくなり、予算を重視する消費者には厳しい状況となりました。

📎 出典・参考資料:

12
📅 2025年11月22日

秋葉原でDDR5メモリが100%超値上がり

東京・秋葉原のPCパーツショップでは、DDR5メモリの価格高騰がさらに深刻化していることが確認されました。特に大容量の64GBメモリ2枚組では、前回(10月頃)と比べて100%を超える値上がりも報告されています。例えば、ある製品は7万円以上も値上がりし、13万円を超えました。あまりの急激な値上がりにより、速度による価格の順序が逆転する現象も見られました。品薄状態も続いています。

13
📅 2025年11月27日

DRAM価格高騰、価格操作の可能性も指摘

メモリメーカーはAI需要が原因だと説明していますが、一部の専門家からは、価格操作が行われているのではないかという見方も出ています。過去にも、メモリメーカーが価格を高く保つために生産量を調整した例があるためです。大手PCメーカーは、今後の供給確保のためにメモリを買いだめし始めており、一部のメーカーでは必要な在庫が2ヶ月分しかないと報告されています。